作曲 vs サウンドデザイン その違いについて

サウンドデザインという言葉をご存知ですか?おおまかに、「作曲以外のサウンド素材の制作」を意味しますが、それだけでは少し定義が広すぎますよね。例えば、信号機の音や改札機の音、携帯の着信音、映画の音響まで、私たちの暮らしを快適にしたり映像作品にインパクトを与えるためにデザインされている音が、サウンドデザインです。ここでは、作曲とサウンドデザインの違いについてご紹介します。

人気になれば認知度も上がる作曲家

作曲は英語でComposeと言い、作曲家をComposer(コンポーザー)と呼びます。有名な作曲家として、ベートーヴェンやモーツァルト、近代では日本を代表する作曲家として坂本龍一が世界的にも人気ですよね。多くの作曲家は、音楽を専門に学び、古典からコンテンポラリーまで幅広く対応できる基本的な音楽の知識が必要です。作曲に使う機材は、ピアノやシンセサイザー、現代ではコンピューターなど多岐に渡りますが、絶対的な音感がないと美しい作品は作れません。作曲家が作品を披露する場所は大衆向けのコンサートや映画などの映像作品内、歌詞をつけてポップスとして提供するなら電子メディアでオンライン配信するなど、オーディエンスに楽しんでもらう方法もたくさんあります。作曲家の特徴として、必ずエンドクレジットに名前が掲載されるという利点があります。芸術作品として認められている証拠ですね。

クライアントの要望に応えるサウンドデザイン

一方、制作されたサウンドとデザイナーの名前がほとんど一致しないのがサウンドデザインです。サウンドデザインという職業を知らない人も多いのではないでしょうか。サウンドデザインは、映像(ドラマ・映画・CMなど)で使われる音全般や、作曲家とのコラボレーション(プロデュース)、生活で耳にする効果音すべてを総括する職業です。需要が広範囲に及ぶため、サウンドデザイナーが活躍できる分野は様々です。作曲家のように芸術作品としての音楽を扱ったり、テレビやラジオなどマスコミュニケーションで番組を支える縁の下の力持ちとして音響を担当したり、インフラ整備で人々に注意喚起をするサウンドを作ったり、業界をまたいで仕事をすることができます。デザイナー及びクリエイターとして、最新トレンドやニュース、世の中の動きに対応できるような臨機応変さが求められます。技術力とは別に、クライアントの要望に応えるコミュニケーション能力も必要です。デザインしたサウンドがどのようにオーディエンスに受け取られるのか、そこに重点を置くのが作曲家との違いとも言えます。