日本のラジオ放送の発展

最初にラジオ放送を聞いたのはいつか覚えていますか?私がまだ子供の頃、母親がキッチンで料理をしながら聞いていたのがFMラジオ放送でした。その後しばらく経ち、思春期を迎える頃にラジオ局が放送する「今週のヒット曲トップ30」を積極的に聞くようになりました。それからラジオ放送は私にとって貴重な音楽情報源となり、今に至ります。ミレニアムになってからは、スマートフォンでのポッドキャストや音楽配信サービスが人気となり、ラジオを聞く人は減ったと思われがちですが、あの独特な世界観に惹かれる人は多く、ラジオ局もオンラインアプリを作成するなど時代に合わせて変化しています。ここでは、激動の時代を生き抜いた日本のラジオ放送の歴史と発展を振り返ります。 普遍的なラジオ技術 ラジオがこの世に誕生したのは、1900年にカナダ人電気技術者のレジナルド・フェッセンデンが初めて音声電波を遠隔地で受信した時でした。この技術こそが、のちのラジオ放送へと繋がります。実験と改良を重ね、1920年には世界で初めての「公式公共ラジオ放送」がアメリカ・ペンシルベニア州で成功します。続く1925年3月に、日本で初めての公共ラジオ放送が社団法人東京放送局(現在のNHKラジオ第一)によって開始され、翌年には社団法人となり実質上の政府機関となります。ラジオは大きく分けて2種類あり、「AMラジオ」と「FMラジオ」があります。振幅変調による中波放送がAM、周波数変調による超短波放送がFMと呼ばれています。90年もの間、基本的な技術は変わらず愛用されています。 時代の象徴であったラジオ放送 太平洋戦争中は敵国である連合国軍へのプロパガンダ放送をしていた日本ですが、1945年8月15日に終戦ノ詔勅(玉音放送)によって終戦を迎えます。ラジオ放送が時代の一部であった印象的な出来事ですよね。戦後の復興とともに、プロ野球中継や大学野球の実況中継もラジオで放送されるようになり、ラジオ局が民営化されていきます。民営化に伴い、1951年に開局した中部日本放送の資金調達方法の一つとして、初めてラジオCMが採用されました。「精工舎(現在のセイコー)の時計が、ただ今、7時をお知らせしました」というアナウンスが正確に記録されています。 エンターテインメントからサバイバルツールへ 乗用車が普及するようになった1960年代からは、カーラジオも人気になりました。ラジオ番組のターゲット層が家族から個人へと変わり、深夜放送が盛んになったのもこの時代です。各地方にFM局が開局され、職業としてDJが注目を浴び始めます。ヒット音楽やラジオドラマに加えて、ニュース番組としてのラジオ放送が見直されたのが1995年の阪神淡路大震災です。各局が震災情報に力を入れ、2011年の東日本大震災では、ツイッターやフェイスブックといったインターネットSNSと同様にラジオ放送での情報収集が重宝されました。

Read More →

ラジオドラマの黄金時代と現在

ラジオの魅力は他のことをしながら音楽やニュース、スポーツ中継を楽しめることです。映像を配信するテレビまたはインターネットは、ついつい作業中の手を止めて没頭してしまい、するべきことが片付かなかった経験がある人は多いと思います。その点、ラジオ放送なら、好きなことをしながらでもコンテンツを楽しめます。なかでもお勧めが、ラジオドラマです。古くはラジオ放送が開始した1925年から、黄金期を迎えた1960年代、そしてミレニアム以降の現代まで。ここではラジオドラマの歴史を面白いエピソードを添えてご紹介します。 日本のラジオドラマあれこれ ラジオドラマとは音声のみで制作されるドラマを差し、放送劇、オーディオドラマ、サウンドドラマ、声劇とも呼ばれます。多くがラジオ局によって制作され、テレビが普及する1960年以前は民衆の娯楽として繁栄しました。カラーテレビや衛星放送、地上デジタル放送が開始してから、ラジオリスナーの数は減少傾向と言われていますが、ラジオドラマの品質は向上していると言わせてください!ストーリーに臨場感を与える特殊効果(効果音の演出)技術も、ラジオドラマを通して誕生しました。NHKラジオ局はラジオドラマ専用の俳優を育成するために「東京放送劇団」を設立し、1940年代から1990年代まで活動しました。これが1980年代以降の声優ブームに繋がります。近年ではアニメーションとラジオドラマをかけた「ラジメーション」があり、人気作品はラジオCDとして販売されています。 人気ラジオドラマ 国民的人気を誇るNHKラジオ局では、毎日ラジオドラマが放送されています。「青春アドベンチャー」が月曜日から金曜日までの午後9時15分から9時30分まで、「FMシアター」が土曜日の午後10時から10時50分まで、俳優の西田敏行さんと女優の竹下景子さんが出演している「新日曜名作座」が日曜日の午後7時20分から午後7時50分まで放送されています。民放TOKYO FMをはじめ全国JFN37局で放送中のラジオドラマ「あ、安部礼司」は、2019年で13年目を迎えるロングランです。主人公の安部礼司が、勤務先の会社や家庭でトレンドの波にのまれながら生活する様子をドラマ仕立てで紹介しています。トレンドな有名人がゲストで登場したり、ヒット曲を流したりと、まさにラジオ局だからできる番組内容になっています! 脚本家デビューも夢じゃない? 各ラジオ局では頻繁に脚本の公募がされます。お題や条件も工夫を凝らしたものが多く、有名文芸作品をイメージした作品や、特産を食べるシーンを含む作品、特に決まりはないけれどある地域を舞台にした作品など、文学および地域復興イベントとしてラジオドラマの脚本公募が使われているみたいですね。ほとんどが賞金付きで、最優秀賞に選ばれたら実際にラジオドラマ化されるなど、脚本に興味がある人、脚本家になりたい人には大チャンスです。ぜひ挑戦してみてください!

Read More →

最新メディアとラジオの関わり~なぜラジオはソーシャルメディアを必要とするのか~

近年ラジオを聴く人が減り、若者を中心にスマートフォンの画面を見て時間を過ごす人が多くなりました。これはラジオの需要をソーシャルメディアが奪ったかのような現象であり、両者は対立関係のものに思えます。しかし、ソーシャルメディアはラジオ番組の制作に大きく役に立っており、ソーシャルメディアの誕生はラジオの質を向上させています。つまり、ソーシャルメディアはラジオの在り方すら変えているのです。 具体的には以下の理由で、ラジオにとってソーシャルメディアは不可欠だといえます。 リスナーを理解する 人気のラジオ番組は、リスナーが聞きたい情報を提供しなければいけません。リスナーが何を感じているのか、どういう気分なのか、どういう時代精神なのか、これらをうまく反映することで、リスナーが聞きたいと思えるラジオ番組を作ることができます。 そして、これらを教えてくれるのがソーシャルメディアです。毎朝のニュースフィードやウェブニュースなどは人々が求めているものを明確に表しているため、これらをもとにラジオ番組を制作することは、よりニーズに合った内容を提供につながります。 リスナーの声がわかる かつてラジオは一方的に情報を発信するのみで、リスナーからの反応を知る方法はありませんでした。しかし、ソーシャルメディアの発展により、感想を個人のSNSに投稿することができるようになりました。個人のSNSなので、リスナーは何がおもしろかったか、どこがつまらなかったのか、こういう風にしてほしい、など各々の思いを自由に投稿することができます。 これらにより、リスナーの声を反映させたラジオ番組を作ることができます。また、感想を投稿する際にはハッシュタグがつけられることがほとんどなので、対象のラジオ番組に対するコメントを見つけることも非常に簡単です。 人気度の提示 ソーシャルメディアは、ラジオの人気度や信頼度を提示することを可能します。大体のラジオは公式のTwitterやFacebook、Instagramを持っています。それらのフォロワーの数は、そのラジオ番組の人気の高さを表現しています。また、アップデートされた内容へのコメントなどから、リスナー同士で意見交換をしたり、ラジオ番組の感想が広がっていきます。 こうしたソーシャルメディアの働きにより、ラジオ番組は簡単に新しいリスナーを獲得することができるようになります。従来は口コミでしか人気度はわかりませんでしたが、現在ではソーシャルメディアを通して不特定多数の人にラジオ番組の人気度を提示することができるのです。 ラジオを身近に感じる ラジオは今まで声だけの存在のものであり、パーソナリティがどんな人なのかは想像するしかありませんでした。しかし、ソーシャルメディアの誕生で放送時の様子を展開したり、パーソナリティとリスナーがコミュニケーションをとったりなど、ラジオが聞くだけのものだけではなくなりました。このような動きからリスナーはよりラジオを身近に感じることができ、イメージと共に楽しむことができるようになったのです。

Read More →